ローリエ 月桂樹について

この枝葉で作った冠は、古代ギリシャやローマの時代に、英雄や勝者、芸術家などに、 英知と栄光の象徴として与えられ、今日までその風習は残っている。

ローリエ

ローリエ laurel

分類:クスノキ科・ゲッケイジュ属
英名:laurel.sweet bay
中国名:月桂
和名:ゲッケイジュ
別名:ローリエ・ベイリーフ
学名:Lauus nobilis
原産地:地中海沿岸
利用部位・収穫時期:成葉を随時収穫し、生のまま、または乾燥させる
性質:半耐寒性、常緑小高木、やや陰樹

スパイスとして用いられる乾燥葉は、生葉の状態では革のようにしなやかかな感触で濃い緑色をしている。そのすがすがしい若干の苦みをともなう香味は、カレーやスープなどさまざまな料理と相性がよく、ポピュラーなスパイスのひとつとして広く利用される。特にブートガルニは必要品で、料理に豊かな風味を加える。もんだり砕いたりすれば、さらに香りが強まる。
また、ヨーロッパでは古くから魔除けなど凶事に対するお守りの木とされ、ペストなどの疫病が蔓延した時代には街角で燃やされた。日本には1905年に移入され、その翌年、日露戦争の戦勝記念樹として日比谷公園に植樹されて全国に知られるようになった。

利用法

生臭みを消し、素材の味を引き立てる事から、肉や魚介類などの煮込み料理。カレーやスープ、ソース、ピクルスなどに葉を加え広く利用する。
ただし、煮込みすぎると苦みが出るので途中で取り出す。また、精油や化粧品の香料などにも利用されている。

効能

臭みを消すとともに防腐の作用がある。また、防虫効果もあるので、穀物や小麦粉などの容器に入れて置くと虫が寄り付かない、健胃・整腸薬のほか、入浴剤として神経痛にも効果がある。

香り

清涼感をともなったすがすがしい香り。わずかに苦みもある。香りは乾燥するとともに強くなる。主成分はシネオール。

♡ギリシャ神話 アポロンとダフネの恋

太陽神アポロンは戦いの神で弓では誰にも負けません。ある日エロス(キューピット)が弓矢で遊んでいるのを見て、子供がそんなものをおもちゃにしてはいけない、とからかった。エロス(キューピット)は怒って、金の矢(恋に落ちる矢)をアポロンに放ち、鉛の矢(恋を拒む矢)を川の神の娘ダフネに放った。2本の矢が2人の胸にささった瞬間からアポロンはダフネに恋をし、ダフネはアポロンを拒否した。
アポロンはダフネを追いかけ、ダフネはどこまでも逃げた。
ダフネは父親の川の神のところへ駆け込み
「助けて、お父様、私の姿を変えて下さい。」
彼女の姿が変化し、足元から月桂樹の木になっていった。
アポロンはダフネへの愛の記念に、ダフネの月桂樹の葉で冠を作り、生涯それを頭にかぶっていた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました