芳香作用だけでなく、繊細な見た目で料理を彩る役割もディル
フェンネルと似て細かい葉が特徴の一年草。魔除けなどの薬草として、または調味料として、古代から利用されてきたハーブのひとつです。
ディル dill
分類:セリ科・イノンド属
英名:dill
和名:イノンド
学名:Anethum graveolens
原産地:ヨーロッパ南部~アジア西部
利用部位・収穫時期:全草、種子・葉が10cm以上になったら随時摘み取る
性質:半耐寒性・一年草・好日性
初夏に黄色い小花をパラソル形に咲かせ、細かい葉とのマッチングが涼しげで、観賞用としても人気のハーブです。料理には主に生葉を利用します。細かい羽状の葉は、すっとした芳香とちょっとした辛みがあり、別名「魚のハーブ」と呼ばれるほど、サーモンやニシンのマリネなどの魚料理には欠かせない存在です。こまかく刻んでじゃがいもなどの根菜類に混ぜたり、コンブやワカメ、のりなど海藻類と合わせるのもおすすめです。
また、茎、葉、花、タネをビネガーにつけたり、ピクルスのつけ汁にするのもポピュラーです。
タネにはカルシウムやミネラル、リン酸などが多く含まれ、ティーとしても利用できますが、辛みが強いため、少量使います。
古くから薬草として栽培されていて、消化促進、胃けいれん、腹痛、不眠症の改善など、幅広い効能があるとされ、特におなかにたまったガス抜きには、ディル水が効果的といわれています。
葉がソックリ!フェンネルとの違いは?
ディルと葉の見た目がソックリなフェンネル、同じセリ科で、葉が繊細で細かいという特徴をもっています。ディルとの見分けるポイントは、茎と葉の香り。茎はフェンネルの方が硬くて太く、葉の香りはディルのほうが強いのが特徴です。
利用法
生の葉は、生魚の付け合わせや、マリネなどの漬け込みに。種はスパイスとして利用します。
効能
解毒、利尿作用があり、デトックス効果も。独特の香りから食材の臭み消しだけでなく、咳をおさえて、胃を整える効果もあります。
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