星のような形が美しい実スターアニス。インフルエンザの治療薬!?

東洋的なスパイスのうちのひとつ。独特な風味をもち、中華料理には欠くことができない存在です。
英語名のスターアニスとは、果実が星型であること、アニスに似た独特の甘い香りを持つことに由来します。

スターアニス  star anise

分類:シキミ科・シキミ属
英名:star anice
中国名:八角茴香
和名:トウシキミ・ダイウイキョウ
別名:八角 学名:lllicium verum
原産地:中国南部~ベトナム北部
利用部位:果実
性質:常緑高木、種撒き・または新苗を植えて、6年目を過ぎた頃に果実をつけるようになり、それ以後100年間以上も果実をつけ続けといいます。

中国料理に欠かせない星型のスパイス

中国南部とベトナム北部原産の常緑高木であるスターアニス。スパイスとして利用するのは果実を乾燥させたもので、中国を代表するミックススパイスである五香粉(ウーシャンフェン)をはじめ、中華料理には欠かせないスパイスのひとつです。
英語名のスターアニスとは、果実が星型であること、アニスに似た独特の甘い香りを持つことに由来します。日本や中国で八角や大茴香(ダイウイキョウ)と呼ぶのも、その香りが茴香(フェンネル)に似ていて外観が大きく、八の角を持つためです。
イギリスの船乗りによってヨーロッパに伝わったのは、16世紀末のこと。当時は非常に高級品だったアニスの代用品として使われたといいます。近年ではそのエスニックで東洋的な香りがヨーロッパで再び注目され、フランス料理などにも使われています。
スパイスとしての用途以外にも、東洋では昔から線香などの原料に使われていたほか、現在も、漢方で胃腸や風邪薬として、また精油を石けんや化粧品、歯磨き粉などの香りづけにも利用されています。

利用法と効能

粉末の八角をカレーにひとふりしてみましょう。肉の臭みをとる効果があるため味がまろやかになり、何時もとひと味違う薬膳料理のように仕上がります。

体を温め、新陳代謝を活発に。胃腸を温めることで溜まったガスを排出します。足腰の重いだるさの改善にも効果的です。

特徴と注意事項

アニスやフェンネルによく似た独特の甘い香りが特徴だが、香りが非常に強く、苦味や渋味を併せ持つため、入れすぎには注意すること。スターアニスの精油には、胃腸の血管に刺激を与えて働きを促進する効果があるため、冷え性や風邪などの体力が低下している際に摂取するとよい。ただし妊娠中の使用は避けるようにしましょう。

※インフルエンザの治療薬!?

スターアニスに含まれる成分の一つであるシキミ酸。インフルエンザの治療薬「タミフル」には、このシキミ酸を10回ほど化学反応させることで生成される、「オセルタミビル」という成分が合成原料の一つとして利用されています。ただし、オセルタミビルとシキミ酸は成分がまったく異なるため、料理などでスターアニスを摂取したからといって、インフルエンザには効果がありません。

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