スパイスの王様と呼ばれる、コショウ!ペッパーについて

ペッパーという名前は、インドの古語であるサンスクリット語の「ピッパリー(ロングペッパーの意味)」に由来し、紀元前500年代にはすでに栽培が始まっていたという。和名のコショウとは、「西方(胡)から伝来した香辛料(椒)」を意味する中国名「胡椒」に由来しています。

ペッパー pepper

分類:コショウ科・コショウ属
英名:pepper
中国名:胡椒
和名:コショウ
学名:Piper nigum
原産地:インド南西部
利用部位:果実・種子
性質:つる性常緑低木
用途:料理・薬用など
効能:消化促進、食欲増進、健胃、防腐、消臭、駆風、抗炎症、殺菌、老化防止、抗ガンなど


インド南西部のマラバーン地方を原産とするペッパー。シナモン、クローブ、ナツメグと並ぶ世界四大スパイスの一つで、「同じ料理に三度使う」といわれるほど高い汎用性を持つことから「スパイスの王様」と呼ばれている。

後にペルシャ人やアラビア人によって地中海沿岸に持ち込まれたペッパーは、古代ギリシャでは医薬品として、古代ローマでは金銀財宝と並ぶ貴重損として使われていました。
中世に入ると、防腐剤や消臭剤としてもつかわれるようになり、特に、肉料理が多いヨーロッパでは調味料として需要が高まりました。
しかし、遠いインドから長い年月をかけて運ばれるペッパーは、一握りが牛一頭分に相当するほど、非常に貴重なスパイスだったので、当時は庶民には手の届かない存在でした。

ペッパーの種類と特徴

ペッパーは、収穫のタイミングや製造方法によって、4種類に分けられる。熟していない緑色の実を天日で干すと、強い独特な風味を持つブラックペッパーとなり、塩漬けまたは短期間で乾燥させると、爽やかな辛味を持つグリーンペッパーとなる。赤く熟した実を乾燥させると、マイルドな風味と鮮やかな色を持つピンクペッパーとなり、完熟した実を乾燥させた後、水につけて外皮を柔らかくして剥ぎ取ると、マイルドな風味のホワイトペッパーになります。
ブラックペッパーは肉料理。ホワイトペッパーは魚料理や鶏肉、卵料理などに。グリーンペッパーやピンクペッパーは料理の彩として、種類によって使い分けるといいでしょう。

効能・効果

ペッパーの主要に辛味は、食欲増進や抗菌、抗酸化などの作用があります。エネルギーの代謝を高める働きがあります。また、血液中の栄養素濃度を高める作用があるため、栄養の吸収を促進すると考えられています。

薬としての利用

ペッパーは古くから薬として使われていました。現在でも「薬になるスパイス」として薬用に利用されています。漢方では健胃、食用増進、駆風などに用いられるほか、爽やかな香りと辛味が舌を刺激し、薄味でも満足感が得られるため、病院で入院患者に提供する減塩食にも役立っています。
薬用には、刺激の弱いホワイトペッパーが使われています。

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