スパイスについて スパイスにまつわるお話し

今回は基本的なスパイスの定義や
スパイスにまつわるお話しを紹介したと思います。

スパイスとは

一般的には、熱帯地方に産する植物から得られるもので食物や飲物に香味を賦与するために用いられる芳香の強い植物
※ハーブとの違い・・・・ハーブは一般的に温暖な地方に産する植物で薬効その他の目的で用いられている植物ですが、料理の味付けにプラス時にはハーブ系スパイスとも呼ばれることもあります。

スパイスの香辛料としての4つの作用

  1. 矯臭作用・・・くさみ消し
    (ガーリック・ジンジャー・オニオン・セージ・オレガノ・キャラウェイ・ローズマリー・べいリーフ・クローブ)
  2. 賦香作用・・・さわやかな香りづけ
    ○オールスパイス、クローブ、カルダモン、シナモン、ナツメグ、メース 
    ○バジル、アニス、セロリ、コリアンダー、チィル、セージ、クミン、フェンネル       
  3. 辛味作用・・・食欲増進をおこす
    (ジンジャー、マスタード、わさび、山椒、ガーリック、オニオン)(ブラックペッパー、ホワイトペッパー、レッドペッパー)  
  4. 着色作用・・・色をつける
    ターメリック(カレーの黄色)、マスタード(フレンチマスタードの黄色)、パプリカ(カンガリアングーラッシュの赤橙色)、サフラン(パエリアの黄金色・・甘いにおい)

スパイスの歴史

◎スパイスの歴史  
有史以前から、人類とスパイスとの密接な関わりがありました。特に、狩猟中心の食生活の中では、肉を保存し風味をつける効果、多少の腐敗から胃腸を守るなどの薬効効果・・・・また、太古の時代から人類は心地良い香りを神聖なものとみなしており、その意味でもスパイスは欠かせない存在でした。
  紀元前3000年頃の古代エジプトでは、死後の魂の復活が信じられ、ミイラが盛んに作られました。その際、誇り高く神秘的な香りをもち、防腐作用のあるクローヴ・クミン・シナモンなどを利用しました。
紀元前2500年代の中国では、スパイスを加えた酒などが神に捧げられたといいます。古代ギリシャ・ローマ時代には、これらの利用法がヨーロッパに伝わり、各種のスパイスが貴重品として取り引きされるようになりました。 しかし、ペッパーに代表されるこれらのスパイスは、生産地が遠い東洋の地に限定されており、シルクロードの長く危険な道程を経てヨーロッパに運ばれ、高値で取り引きされていました。東西貿易の繁栄は、スパイス重要な位置を占めていたのです。その某大な利益への魅力とマルコ・ポーロの「東方見聞録」の影響もあり、ヨーロッパの国々の関心は次第に東洋へと向かっていました。スペイン・ポルトガルなどが先陣を切って新しい航路を求めて海洋に乗り出しました。これが、大航海時代の幕開けです。コロンブスの新大陸到達、パスコ・ダ・ガマの希望峰航路の発見、マゼランの世界一周などが15世紀に相次ぎ、それによってシルクロードに代わる海路、すなわち「海のシルクロード」が開拓されました。それにより香料諸島と呼ばれたモルッカ諸島をはじめとするスパイスの産地に、多くのヨーロッパ人が直接乗りつけるようになりました。

16世紀から18世紀、スパイスの産地の支配権をめぐって、ポルトガル・スペイン・さらにオランダ・イギリスが次々に参入し、激しい植民地争奪戦が各国入り乱れて繰り広げられました。国力を賭けて、時には血みどろの悲劇を生んだその嵐は、3世紀にわたって吹き荒れました。しかし、同時に取引きが盛んになるにつれ、数多くのスパイスが比較的安価で庶民の手にも入るようになりました。
◎日本でのスパイス

その起源は古く「古事記」にも記述があります。しかし、もともと農耕中心の食生活で、気候風土にも恵まれ、新鮮な食材を比較的安易に入手できる環境にあった日本では、むしろ素材本来の持ち味を生かすための隠し味や薬味としてスパイスを使用していたので、それほど多種のスパイスは必要とされてなかったのです。8世紀には、ペッパー、クローヴ、シナモン、などが渡来しており、正倉院の御物の中に現存しています。その目的は薬用でした。
 明治以降、洋食が少しずつ日本の食卓に取り入れられ、何種類のスパイスをブレンドしたウスターソースなどの調味料やカレー粉など広がっていきました。
戦後、食生活の多様化とともに日本のスパイス事情も大きく変化し、驚くほど多種のスパイスが手軽に手に入るようになのました。

スパイスの話し

*ペッパー
インドから運ばれるペッパーは、ギリシャ・ローマ時代から、ヨーロッパでは宝石のように大切にされ、純銀製の壷に入れて大事に扱われていました。12世紀はじめのヨーロッパでは、ペッパーは同じ重さの銀と等価値であるとみなされ、いろいろな物の支払いに使われたとか。ペッパーがこれほど珍重され、価値ある品物であった為に、一攫千金を夢見るヨーロッパの人々は、巨大な投資を行い、命知らずの冒険を企てる気持ちになった訳でしょう。
 13世紀にマルコ・ポーロが「東方見聞録」の中で、ペッパーをざくざくと使う東洋のあり方を紹介し、人々の夢をあおっていたのです。東洋でペッパーをたくさん手に入れる事が出来れば、すぐに大金持になれる、と考えた人々によって「大航海時代」の幕は切って落とされたと言う訳ですから、まさにペッパーが歴史を動かしたといってもいいでしょう。
 最初に東洋にたどり着いたのは、ご存知、喜望峰をまわってインド洋へ抜けたバスコ・ダ・ガマでした。ポルトガル王国をパトロンとするガマは2年がかりで、船いっぱいのペーパーを持ち帰り、ヨーロッパの市場に大きなショックを与えたのです。その後もペッパーやさまざまなスパイスを求めて、大航海時代は続き、ポルトガル・オランダ・イギリスなど列強が東洋支配にのりだし、多くの植民地が作られたのです。歴史の陰にペッパーあり、という訳でした。   日本人がスパイスの風味になじんだのは、昭和30年代に登場した「インスタントラーメン」が大きなきっかけでした。
◎インスタントラーメンを作る時に、水にブラックペッパーのホールを4~5粒入れて沸騰したら取り出して、それで作るとさわやかな味わいが楽しめます。
◎味噌汁を作る時、みそをとく時にペッパーを振りかけると、みその臭みをやわらげさわやかに辛みづけします。
◎ココアには、ホワイトペッパーをひとふりすると大人の味わいが楽しめます。
*クローヴ・ナツメグ
インドネシアの東部にあるモルッカ諸島といえば、香料列島とも呼ばれるスパイスの産地。ヨーロッパで珍重される四大スパイス、ペッパー、クローヴ、ナツメグ、シナモンのうち、クローヴとナツメグを産する土地なので、早くからねらわれた島です。
 マゼランが世界一周探検隊が西回りでこの地に行く航路を発見し、モルッカ諸島のスパイスをヨーロッパへ持ち帰りましたが、この時、すでに途中でマゼランは死亡。5隻のの船のうち、故国にたどり着いたのはただ1隻だけでしたが、その1隻の運んだスパイスで、探検のための投資をすっかり回収したばかりか、それを大きく上回る利益が上がったそうです。だから探検はやめられないと言う訳でしょうか。
 17世紀にモルッカ諸島はオランダに支配されるようになり、スパイスの貿易はオランダが独占します。オランダは住民が他の国と密貿易しないように、オランダ政庁のある2島以外はクローブとナツメグの木を切り倒させてしまったといいますから、むちゃくちゃです。というのも、この地の人々は子供が生まれるとクローブの木を1本植える習慣をもっていて、それを切り倒すという事は、その木に託した子供に不吉な運命を与える事を意味するからです。しかし命令に従わないと死刑。
欲にかられた支配者と言うのは、住民の心を無視して、つっ走るものなのです。スパイスのおかげで、泣かされた住民が、たくさんいたというものも、史実です。
*シナモン
人類が知った最初のスパイス。古代エジプトでは、化粧品と死体の防腐剤としてミイラ作りに使用されていました。
 暴君ネロは、最愛の妻の死を悼み、ローマ1年分のシナモンを集め、燃やし尽くして死出の旅への贈物としました。
ソロモンとシバの女王の話しでは、シバの女王から贈られた、この刺激的で官能をそそられる香りの「シナモン」をソロモン王がたたえた歌を作った。旧約聖書の中に(シナモン賛歌)としてのっています。
*ローリエ
ギリシャ神話によれば、太陽神アポロに愛された美しい妖精ダフネが、彼を嫌って逃げ廻っていたために、神々が哀れんでローレル(月桂樹)に変身させたという。そのためギリシャでは、今もローレルをダフネの木と呼ぶ。古代ギリシャ・ローマでは、月桂樹の葉や小枝は、戦いの勝利者に栄誉を与える冠として使われ、紀元前776年オリンピックでも、勝者に月桂樹の冠を授けた。
*カルダモン
サウジアラビアには「カルダモンを口に出来ないなら、食事を抜いた方がましだ」ということわざがあるほど、カルダモンは人気がが高い。この地方は、真夏の数ヶ月間は50℃以上にも気温が上がるが、カルダモンは身体を冷やす効果がある事、消化吸収を助ける事、古くからアラブ人は催眠の効果があると信じている事などがその理由です。また媚薬としての効果もあると言われています。
*コリアンダー
紀元前5世紀頃、ギリシャの医者たちがコリアンダーの医学的効能を積極的に評価し、これを勧めた。当時興奮剤や消化促進剤として使われ、医学の父と呼ばれる
ヒポクラテス(前460~370)の「誓い」には、胸やけを防ぎ、催眠剤になると記されている。事実、大量に使用すると、食後眠くなると言われている。
◎スパイシーな胃腸薬・・・戦前「カレーに 胃腸薬をふりかけて 食べるといい香りがする。」胃腸薬の成分表示は、桂皮(シナモン)・肉荳蒄(ニクズク・ナツメグ)・茴香(フェンネル)・甘草(リコリス)・丁字(クローブ)
◎市販のカレールウに、コリアンダーとカルダモンを入れるとさわやかなになる。

最近海外で【美しくやせるが叶う。いま注目のインディアン・フード】という記事を読みました。
「インディアン・ダイエット」インドと言うとカレーという事で、カレーダイエットと結びつけやすいですが、そうではなく。
じつはインドには、カレー以外にも様々な食材があり、そこで今回ブームとなっている注目のスーパーフードが・・・アーユルヴェーダにも使われている「カルダモン
数多くあるスパイスの中でも人気のカルダモンは、脂肪を燃焼させ代謝を活発にしてくれる働きがあります。疲労回復や殺菌作用があるほかに、脂肪燃焼効果が特に高いので、ダイエットフーしてじわじわ注目され始めいます。

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