クローブの名前は「釘」に由来し、かわいらしい姿と甘く濃厚な香りが特徴なスパイス。胃腸を整え、食欲増進効果も期待できます。
クローブ clove
分類:フトモモ科・フトモモ属
英名:clove
中国名:丁香
和名:チョウジ
別名:チョウコウ
学名:Syzgium aroaicum
原産地:モルッカ諸島(インドネシア)
利用部位:つぼみ
性質:常緑高木
用途:料理・美容・お茶・薬用・クラフトなど
効能:殺菌・消化促進・虫除け・健胃・鎮吐・鎮痛・冷え性改善など
マゼランが探し求めた幻のスパイス
クローブのつぼみはくぎに似た形をしているため、中国では「釘」を意味する「丁」の字を使い「丁子(丁香)と呼ぶほか、英名の「CLOVE」も、フランス語で「くぎ」を意味する「CLOU」が語源となっています。
開花前のつぼみを乾燥させて使う珍しいスパイスで、バニラのような甘い芳香は、数あるスパイスの中で最も強いといわれます。原産はインドネシアのもろっか諸島で、インドや中国では、紀元前から殺菌や消毒に用いられていた。
ヨーロッパには、中国人商人によって絹などと共にスリランカ経由でもたらされ、6~7世紀頃には貴族の間で珍重されるようになった。その後、中国商人はクローブの原産地を隠したまま貿易を続け、利益を独占していたが、大航海時代に入って原産地が明らかになると、スペイン王はポルトガル人の冒険家であるマゼランらに未知の西回り航路探査を命じました。この航海により、マゼランは道半ばで非業の死を遂げますが、出航から3年をかけて一行はスペインにクローブを持ち帰る事に成功しました。このことにより、スペインは莫大な利益を得ることになりました。
特徴・香り
バニラのような甘く強い芳香を持つ一方で、舌がしびれるような刺激味が特徴。香りが強いため、料理に使う際は入れすぎないようにしましょう。
効能・効果
鎮痛・抗菌作用に優れ、歯科でも歯痛や局部麻酔に利用されることから、「歯医者さんのハーブ」と呼ばれています。また、クローブに含まれるオイゲノールは抗酸化作用に優れ、老化や動脈硬化を防ぐほか、消化を促進して胃腸を整え、吐き気を抑えてくれます。
利用法
ヨーロッパでは、肉の臭み消しや香りづけとして、ソーセージやシチュー、粉末にしてハンバーグやミートボールに加えるとスパイシーに風味が加わります。そのほかバニラを使った焼き菓子の生地にパウダーを混ぜて焼き上げると香りが引き立てあってよりおいしくなります。
クローブオイルは優れた抗菌・消毒作用を持つことから、ニキビや吹き出物の肌のトラブルの他に、水虫の予防や改善にも効果が期待できます。また、クローブの香りを虫が嫌うため、虫除けにも利用ができます。
ただし、高濃度で使用すると刺激が強すぎるため、十分薄めるなどして使用量には注意しましょう。
コメント