アロマテラピーの起源は紀元前までさかのぼります。 中東や中国、インドなどでは、3000年以上前から植物の香りを病気の治療に利用してきた記録があります。
アロマテラピーの歴史
古代 クレオパトラも愛用
古代エジプトでは、紀元前3000年頃から香料に対する関心が高く、神殿での儀式の時など、乳香(フランキンセンス)や没薬(ミルラ)を用いていました。クレオパトラ7世がバラを入浴や香水に使っていたという逸話は有名ですね。香りでシーザーとアントニウスの心をとらえたそうです。
古代ギリシャでは、医学の父と呼ばれたヒポクラテスが芳香植物の有用性とマッサージの常用性を訴えました。古代ローマでは医学者ディオスコリデスやガレノスが植物の効能に注目して活躍しました。また、聖書の中にも芳香植物が取り上げられています。
中世 王妃を輝かせた「若返りの水」
中世から近代にかけては、大流行した錬金術の中で精油の蒸留法が確立し、アロマテラピーは大きく発展を遂げました。14世紀のハンガリーでは、修道士が王妃エリザベート1世に痛み止めとしてローズマリーを主材料とした化粧水を献上した話が有名です。これはのちに「若返りの水」である「ハンガリーウォーター」と呼ばれ、現在に伝えられています。
16世紀頃にはイタリアからフランスのブロヴァンス地方で柑橘系の香料が作られ始めました。また18世紀になると、ドイツでベルガモットを基調とする「ケトンの水」が売り出されました。これは最古の香水とされ、のちに「オーデコロン」としてフランスで商標登録されました。
現代 美容や健康へ広がる可能性
20世紀に入ると「アロマテラピー」という言葉が誕生しました。造り出したのはフランス人の化学者ルネ・モーリス・ガットフォセ。実験中にやけどを負い、その治療にラベンダー精油を使った所、傷の治りが早かったといエピソードが有名です。フランスの軍医ジャン・バルネは、第二次世界大戦で負傷した兵士の治療に精油を用いて、その成果を著書「AROMATHERAPIE」にまとめました。また、フランスの生化学者マルグリット・モーリーは、美容と健康法に精油を取り入れる事を考え、精油を植物油で希釈したオイルでマッサージ方を提唱しました。
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