実際にポプリを作るときに、使う道具から素材などを具体的に紹介したと思います。
自分で集めた素材・好みの香りで調合されたポプリをお部屋に飾ればお気に入りの空間を演出することが出来ると思います。
道具
- 素材を乾かすための浅い紙箱やお盆、ざるなど
- 乾燥させた花や葉を保存しておく密閉瓶、ガラス製がベスト
- 素材をミックスし、ねかせておく大きめの密閉瓶、口元にゴムパッキングのものは避ける
- スパイスを取り分けたり混ぜる、小さめのボウル、小鉢、皿など
- 200ccの計量カップ、15cc、5ccの計量スプーン、細か目の天秤ばかりやレタースケールもあると便利
- スパイスを砕くためのちょけい12~20cmの乳鉢
- 素材を混ぜ合わせる柄の長い木じゃくし、割り箸
- 乾燥仕上げの為の白熱ランプ、オーブン、オーブントースター、保温機など
- ラベル、保存用、熟成用の瓶にはります
- その他に小瓶、スパイスミル、コーヒーミル、グリップと言う名のシールできるポリプロピレン袋、ナイフ、はさみ、リボン、飾る時の瓶や鉢、貝殻、箱など
- サシェやスリープ・バック用の布やレース
※日頃から目についた解きに集めておきましょう。
ポプリの主役・花のこと
甘い香りのバラ
最も古くからポプリに使われてきましたが、全部が乾いた後も芳香を保つわけではありません。改良ばらは、乾くと芳香が変化したり消えたりする琴がります。最もポプリに向くバラは、ローズ色でシャクヤクのような花形のダマスク・ローズ。その他原種に近い房咲きのツルバラとハマナス、のバラなどの中に、良い香りに乾くものがあります。
ラベンダーは欠かせない素材
保存状態がよければ10年も20年も香りが続きます。花はすがすがしくピリッとした香りは万人向き。ポプリそのものに使うほか、サシェにもよく詰めます。また香りを統合し、長持ちさせる保留剤にもなります。
色や形が美しく乾く花
花の中には、香りは乾くと淡くなってしまうけど、色や形が美しいものがあります。ミモザ・ブーゲンビリア・スィートピー・クローバー・矢車草・蘭・シクラメンなどです。こうした花は、ポプリの変化をつけるので、いろいろと揃えて置くと重宝します。一般的に黄色い花は色があせにくく、ピンクから紫にかけての色はあせやすいです。
クセの強い匂い変わる花
フリージアは色は鮮やかで長持ちするが、匂いは煮物の焦げたような感じです。パンジーは、まるで貝を煮たような奇妙な香りです。ヒフシンスもクセのある匂いです。ストック・西洋シャクヤクなどは日がたつと青臭い匂いが強くなっていきます。その他ヘリクリウム、ベニバナ、アジサイ、トウキ、ゼラニウム、ジャコウ、アオイは特徴のある強い匂いを持つようになります。こうした花々を使う時は、少量使うか、香りの強いものと組み合わせてみると良いでしょう。また、好きか嫌いか好みが分かれるので、実際に乾かしてみて、好みの素材棚に加えてみて下さい。
ポプリに向かない花々
白ユリ、クチナシなど、生花の時の姿は清らかで美しく香りも良いのに、乾かすと茶色くなってしまいます。朝顔、ペチュニアなども乾かすと極端にちぢんだりして、どうもポプリには向きません。その他に、ネギ、ニラ、などの花も使わない方が良いでしょう。
ドライフラワー用の花
ローダンセ、貝殻草。スターチスなど、ドライフラワー用の花は珪酸質が多く、乾燥も簡単で鮮やかな色が長く残ります。が、香りのないイメージが強いく、他の花が色あせていくのとテンポが合わないので、ポプリには使わない方が良いでしょう。
実際に乾かして
香りはあくまでも個人的なものなのです。また花の栽培法、乾燥法、保存期間などによって大きく違っています。まず始めから、実際に乾かして確認してみましょう。誰も知らないあなただけの芳香が発見できるかもしれません。
ポプリの副材料
生の時も乾かしても香るのは、芳樟、クスノキ、ローズゼラニウムをはじめ各種の匂いゼラニウム、オレンジ、みかん、パチューリ、モミ、ユーカリ、ヨモギ、菊、レモンバーベナ、匂いヒバなどです。乾かした時にいっそうよく香るのはクルマバソウ(ウッドラフ)、フジバカマなどです。フジバカマ、匂いゼラニウム、クルマバソウは栽培できます。
クルミは若草を上手に乾かすと良い匂いになりますが、タイミングがずれると悪臭に近くなるので注意しましょう。シダは古くなると干し草のようなクセのある匂いになってしまいます。クローバーも乾かすとクセが強くなります。
バラなどの多くの葉は、あまり香りがありませんが、色どりとしてポプリに加えます。
香りに深みを添えるハーブとスパイス
さわやかな香りのミント類、タイム、ローズマリーなどよく使われます。キャットニップは猫を喜ばせるポプリ用。セージ・バジルはお料理のイメージが強いので控えめに。
スパイスは少量を注意して
クローヴ、シナモン、オールスパイスを最もよく使います。ただ、シナモンは好き嫌いがありますし、クローヴも相当強い匂いなので、ごく少量を注意して使います。メース、コリアンダー、サフランも同様です。八角、アニス、ブラックペッパー、ジンジャー、カルダモンなどお料理のイメージと重なるので控えましょう。
エッセンシャルオイルについて
オイルには、バラをはじめ各種の花や葉や樹脂、動物からとった天然オイルと調合または合成のものがあります。一般にポプリオイルと言えば、天然のオイルと合成のオイルを混ぜた調合オイルがほとんどです。調合オイルは、石鹸や化粧品などでおなじみの匂いなので、初めての人でもなじみやすいのですが、ポプリに加えて熟成させると成分のどれかがきわだったり、トイレや室内の芳香剤と似たような匂いになる事があるので、分量は控えめにしましょう。
まずは、ローズオイルとベルガモットオイルがあれば充分です。できるだけオイルの力に頼らずに、ナチュラルな香りを引き出しましょう。
保留剤に使う素材
保留剤はポプリの香りを統合し、保たせる役目のもので、たいていそれ自体。よい香りを持っています。入港、没薬、安息香などの樹脂類、柑橘系の皮、白檀やビャクシン、鉛筆のけづりくず、その他の木片類、ショウブやアンジェリカやヴェチヴァーの根、オリス・ルートなどです。その他にも粗塩、黒砂糖。こうした中で最もすぐれているのはオリス・ルートです。
ポプリのムード作り
アイリッシュ・モスや海草、貝殻、小鳥の羽、きれいな小石などはポプリの表情を豊かにしてくれます。自由な発想で、さまざまなものを取り入れて、ユニークなポプリ作りをチャレンジしてみましょう。
材料を準備しましょう
バラ・・・花びらを1枚ずつ軽く引いてはずす。一度に、そっとガクからはずし、バラバラにほぐして、ごく小さなバラはガクごと摘み取る。色の薄いものほど扱いに気をつけ傷つかないように。
ユリ、チューリップ、ダイヤモンドリリー・・・花びらは1枚ずつ、根元から外側に折り取る。花粉のある花は、花びらにつかないように気をつける。
菊、マリーゴールド、コスモス、ヒマワリ、百日草、マーガレット・・・花びらを1枚ずつ軽く引いてはずす。マーガレット以下は小菊は丸ごと摘んで。
アイリス、アヤメ、カキツバタ、グラジオラス・・・花びらのつけねをおおっている苞をはずし、花びら1枚ずつ外側に折ってはずしていく。
水仙、ジンジャー・・・花びらの部分だけ、詰めの先で摘み取る、子房の部分をつけて置くと乾きにくく、カビることがあるので注意。
フリージア、ジャスミン、リンドウ、ツツジ、サクラソウ・・・一方の手でガクの部分を押さえ、別の手で花の根元を持って軽く引き抜く
カスミソウ、アジサイ、ミモザ、ハハコグサ、フジバカマ・・・花を一つ一つつまみ取るか、適当な長さの茎をつけてはさみで切る。
桜、梅、桃、パンジー、スイトピー、ストック、デルフィニウム、ラークスパー・・・花びらを1枚ずつ軽く引いてはずしてもいいし、丸ごと摘み取っても。
ラベンダー、ヒース、萩、モクスイ・・・先きったところを紙の上に振り落とすか、一つ一つつまみ取る。
カーネーション、シャクヤク、ランナキュラス・・・ガクをとりはずし、花びらを一度にはずし、バラバラにほぐす。
草木の葉やはーぶも1枚ずつ摘み取ります
ミント類、セージ、バジル・・・葉を1枚ずつ摘み取ります。
レモングラス、シダ、ヨモギ、スギ、匂いヒバ・・・つくるポプリによって適当に大きさに切る。
ローズマリー、タイム、マジョラム・・・葉を1枚ずつ摘む、細かいので枝をつけたままでも。
匂いゼラニウム、バチューリ・・・葉を1枚ずつ摘む、崩れやすいので注意。
ローリエ、クス、ユーカリ・・・1枚ずつ摘む
果物の皮は、できるだけ薄くむく
柑橘系の皮は、ナイフで爪ほどの大きさにはぎとる、また四つ割りにして皮をむき、ナイフの先でハートや星形に切りぬいたり、抜き型で抜くこともある。
りんごや柑橘系の皮をくるくるとリボン状むいて、端から5mm幅に切る。ナイフは上下を動かすと上手くむける。
上手に乾かしましょう
紙箱や紙を敷いたおぼに広げた花、葉、果皮などは、そのまま風のない日は戸貝の日陰に、あるいは部屋の涼しい場所に2日から1週間おきます。その場の温度や湿度によって違います。ほぼ乾いたら、仕上げ乾燥をします。白熱灯ランプ、オーブン、アイロンなどを用い、時々上下を返しながら完全にパリパリに乾かしましょう。温度は、理想は50度位で30分、これなら香りも損なわれません。
白熱灯・・・陶器のお皿にのせて熱を加える。紙は敷かないこと。離れる時は、スイッチを切るように
オーブン・・・手パンにアルミ箔を敷いて並べ、暖かいと感じる温度(50~80度)で、オーブントースターでも
アイロン・・・ラベンダーの時だけ、布の間に重ねないように並べて、アイロンを押し当てない
調合し熟成させます
材料がそろったら、いよいよポプリの調合です。主材料・副材料・保留剤・エッセンシャルオイルを合わせるのが基本です。調合したら密閉し、冷暗所で2~6週間ねかせ、熟成させます。
- 主材料(目安量はカップ1と1/2)そのポプリのメインとなるもの、香りを重視してきめますが、色合いで選ぶことも。普通はバラ、ラベンダーなどの花葉、果皮、樹皮、ハーブ、スパイスなどを使うことも。
- 副材料(目安量カカップ1/2) 主材料の香りを引き立てたり、深みを添えて変化をつけるもの、普通は花、果皮、樹皮、ハーブ、スパイスなど
- 保留剤(目安量大さじ1/2) 香りを統合し、長持ちさせるもの、乳香や安息香などの樹皮、オリス・ルートやアンジェリカ・ルートなどの根、白檀やシーダーなどの樹皮、マスクやアンバーグリス、シベットなどの動物性の香料、粗塩など
- エッセンシャルオイル(1~2滴)主・副材料の香りを補い、オイルが保留剤をかねることもあります。
※個々の処方によって割合は、違ってきますが、オリジナル・ポプリを作る時などは、これを基に調合するとよいでしょう。材料の分量は、軽く押し付けて計ります。特に指定したもの以外は、すべて乾かしてから計ります。
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