ブラウンマスタードにはたくさんの栽培品種があり、多くは菜を漬け物にする。中国の搾菜は茎が太い品種を漬けたものです。
種子はスパイスとしてもっとも多く使われています。
古代ギリシャ時代、ピタゴラスは「マスタードの価値と性質」という論文を発表しています。
ブラウンマスタード brown mustard
分類:アブラナ科・アブラナ属
英名:brown mustard
和名:セイヨウカラシナ
学名:Brassica juncea
原産地:雑種起源で、原産地は中近東やアジア中部と言われている
利用部位・収穫時期:種子・茎葉。収穫時期は部位や品種によって異なる
性質:耐寒性・1年草
アブラナ(B campestris)とブラックマスタード(B nigra)の雑種である。搾油用品種はインドで、野菜用品種は中国と日本で多数生まれた。日本での栽培の歴史は古く、平安時代の「本草和名」にも記載されている。ブラウンマスタードにはたくさんの栽培品種
があり、多くは菜を漬け物にする。中国の搾菜は茎が太い品種を漬けたものです。
高さ1~1.5mで、茎は直立し葉は互生する。葉の緑には鋸歯があり、下部の葉は深く切り込んで剛毛がある。花は黄色で茎の先端に総状花序につく。細長いさやの中に黒みがかった球形の種子ができます。
マスタードグリーン(B juncea)花が咲く前の葉を利用する。ピリッと辛い。
利用法
ブラウンマスタードの種子は、スパイスでもっとも多く使われている種。
砕いて冷水と混ぜると、しばらくすると特有の酵素が活性し、強い辛みが生まれる。
若菜は漬け物やサラダなどの食用に開花前の柔らかい葉が美味。
スパイスとしてマスタードを大別すると
- クロガラシ・・・ブラウンマスタード
- シロガラシ・・・イエローマスタード
- ワガラシ ・・・オリエンタルマスタード
古代ギリシャ時代、ピタゴラスは「マスタードの価値と性質」という論文を発表しています。
しかし、中世にいたるまでは湿布薬などの薬用として利用され、スパイスとして広まったのはそれ以降のことです。
粒マスタードは、ブラウンマスタードを種皮ごと半つぶし状態にして酢などの調味料を加えたもので、とんかつ・焼売・おでんなどのほか、ハム・ソーセージ・ローストビーフなどの肉料理、サラダ、ピクルス、サンドイッチ、マヨネーズ、ソースなど広く利用されています。
効能
強力な殺菌作用をもつ、またかつては利尿剤・嘔吐剤として用いられていました。
日本でも古くはしもやけや神経痛、気管支炎の湿布薬として利用されてきた。刺激が強いので注意が必要。
香り
ツーンと鼻に抜ける強い強烈な辛みの主成分はシニグリン。これが加水分解されてアリル芥子油(ワサビと同じアリルイソチオシアナート)に変化し、強い辛みを生みだします。
また、シロガラシだけはシナルビンという異なる主成分をもち、辛みもマイルド。
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