オーストラリア原産の非常に香りが強い植物を原料とする精油です。古くから、原住民アポリジニが感染症や傷など様々な症状に効果がある万能薬として使ってきました。
ティ―ツリー medical tea tree
分類 : フトモモ科・コバノブラッシノキ属
英名 : medical tea tree
学名 : Melaleuca alternifolia
原産地 : オーストラリア北東部の湿地帯
利用部位・収穫時期 : 初夏から初秋に2回ほど茎葉を刈り取り薬用。観賞用。
性質 : 半耐寒性・常緑低木
原産地では葉を傷ややけど、皮膚病の治療に用いてきました。
現在は精油生産用に栽培されています。同じくティーツリーと呼ばれるものに、別属のマヌカ(Leptoapermum scoparium)、レモンティーツリー(L.petersonii)があります。
利用法
葉にはフレッシュで鋭いユーカリに似た香りがあります。水蒸気蒸留で、抗細菌・抗真菌作用のある精油が取れ、市販もされています。ハーブティーにはできません。
マヌカ・レモンティーツリーの葉はティーにもできます。
精油の利用
先住民属の間で何千年もの間、この葉を砕いてケガや皮膚病の治療などに使われていましたが、第二次世界大戦の時には、オーストラリア兵の救急箱の常備薬でした。その後合成薬品に変わりましたが、近年伝統医学への関心が高まりと、副作用が少ないことから再び注目を集めています。
精油には、好炎症作用、抗ウイルス作用などが認められています。
ティーツリー油は、0.5%から1%未満の濃度に希釈した場合でも、幅広い種類の最近や真菌に対して強い殺菌力がみられ、インフルエンザ、精神安定作用や花粉症にも効くと言われています。
液体ではなく香りの状態で、院内感染の原因であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌を殺菌する。
ティ―ツリーオイルには、科学種(ケモタイプ)が生じるので、産地により薬効にも差があります。
オーストラリアには精油の品質規格があり、成分調整が行われているので比較的安定していますが、ニュージーランド産は製品ごとの成分の差が大きいため、アロマテラピーに利用するのは不向きです。
香りの特徴
すっきりとクールでありながら、刺激が少ない高感度の高い香り
心への働き
傷ついた心を癒やし、リフレッシュさせる
体への働き
- 気管支炎の痛みや炎症をやわらげる
- 感染症を防ぐ
肌への働き
- やけど、日焼けによる炎症をしずめる
- ニキビ、虫刺され、切り傷の治りを促す
使用上の注意
- 妊娠初期・分娩前後使用は控える
- 肌の弱い人は控えめに使用する
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