二つのスパイスは、同一の果実から採れる双子のような関係なのです。
独特の甘い芳香を持つナツメグは、主に挽き肉料理に利用され、より穏やかな風味を持つメースは、デザートなどに利用されることが多い。
ナツメグ / メース Nutmeg / Mace
分類 : ニクズク科・ニクズク属
英名 : Nutmeg / Mace
和名 : ニクズク /ニクガクカ
学名 : Myristica fragrans
原産地 : モロッカ諸島(インドネシア)
利用部位 : ナツメグは種子の仁 / メールは仮種皮
高さ20mにも達する熱帯性の常緑樹、ニクズク。その熟した実を割るとレース状の仮種皮に包まれた種子が現れる。この種子がナツメグであり、レース状の仮種皮がメースです。つまり、二つのスパイスは、同一の果実から採れる双子のような関係なのです。
独特の甘い芳香を持つナツメグは、主に挽き肉料理に利用され、より穏やかな風味を持つメースは、デザートなどに利用されることが多い。
ナツメグを最初に使用したのはインド人とされており、ヒンドゥー教の前身であるバラモン教の経典「ヴェーダ」には、紀元前1000年頃の医師たちが、頭痛や発熱、整腸などの薬として使っていた事が記されている。また、大航海時代にヨーロッパに広まったスパイスのひとつで、ペッパー、シナモン、クローブと並ぶ世界四大スパイスのひとつとして非常に珍重されたと言われています。
ナツメグは10~20mにもなり、1年で4000個の果実が収穫できるが、成長が止側、実を付け始めるまで7年もかかる。
その後ナツメグの取引をオランダが独占していた時に、政府はナツメグとメースが同じ植物だと知らず、また当時はメースの方が需要が高く高価だったことから、「ナツメグの木を伐採し、代わりにメースの木を多く植えるように」と現地に指示を出したというエピソードが残っています。
利用法
ハンバーグ、ミートソースといった挽き肉料理に粉末を混ぜ込む。ポテト、キャベツなどの野菜料理、クッキー、ドーナツなどの菓子の記事にも同様に用いられる。メースはにごらないので、薄い色の料理に使うのもよい。使う直前にホールをひいて用いると香りが引き立つ
効能
ナツメグは体を温める働きがあることから、冷え性などに効果があるとされる。また、消化器系にもよい働きをするので、整腸や腸内が巣の抑制にも期待できる。しかし、使用量には注意が必要。
ナツメグの精油は、寒い冬のアロマバスにすると、冷えた体を温め、精神的にもリラックスできる。使う量は2~3滴までで・・・
※ナツメグの大量摂取にご用心。
料理に使うと素材のうまみを引き出してくれるナツメグ。しかし使用量には十分に注意が必要です。通常の使用量なら問題はありませんが、大量に摂取すると、マリファナ(大麻)に似た幻覚症状や、けいれんなどの症状を引き起こすことがあると言われています。過去には堕胎薬として使われたこともある他、ひどい時には肝臓障害も起こすこともあるので、一度の摂取量は、5g以下にしましょう。
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